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【DS検定・価値創造】ver.6で新設された「価値創造」とは?出題される20項目を公式リストから読み解く

DS検定の勉強を進めていて、「価値創造」だけ情報が見つからないと感じている方は多いと思います。

それもそのはずで、この領域は2025年11月に発表されたスキルチェックリストver.6で新設されたばかりです。参考書の記述も薄く、過去問の蓄積もありません。

そこでこの記事では、データサイエンティスト協会が公開している公式のスキルチェックリストver.6を直接読み解いて、価値創造の中身と、DS検定で問われる★1レベルの項目を整理しました。

この記事でわかること

  • 価値創造スキルとは何で、なぜ新設されたのか
  • 価値創造がどんな構造になっているか(4フェーズ)
  • DS検定で問われる★1レベルの20項目(全部載せます)
  • 20項目を眺めて見えてくる、対策の方向性

目次

価値創造スキルとは何か

データサイエンティスト協会は、2025年11月25日のシンポジウムでスキルチェックリストver.6を発表しました。全体の項目数は650項目から845項目へと大きく増えています。

その改訂の中心にあるのが「価値創造スキル」です。協会の説明では、こう位置づけられています。

従来の「ビジネス力」を再定義し、課題再定義・意味設計・社会実装・ガバナンス・スケール展開を体系化したもの。データサイエンティストを「分析者から価値創造リーダーへ」転換させる位置づけ。

つまり価値創造は、ゼロから生まれた新領域ではなく、旧「ビジネス力」を作り直したものです。「分析ができる人」から「分析を使って組織や社会を動かせる人」へ、という方向にスキル定義そのものを引き上げた、という改訂だと理解すると腑に落ちます。

ちなみにver.6では、価値創造のほかに「基盤スキル」(論理思考・行動基盤・システム/データ理解・AI基礎理解などの共通土台)と、「融合スキル群」(生成AI、AIエージェント、マルチモーダル、IoT、AI・データガバナンスなどの横断領域)も整理されています。

価値創造は4つのフェーズでできている

価値創造スキルは全部で51項目あり、4つのフェーズ+共通に分かれています。

フェーズ含まれるカテゴリ
構想・探索
(Visioning)
技術・社会潮流の洞察/課題の再定義/意味構造設計/社会インパクト設計
設計
(Design)
事業・モデル設計/システム・AI設計/ガバナンス・倫理設計/組織・人・PJ設計
構築・運用
(Build & Operate)
データ整備/開発・評価/継続運用・改善/定着と横展開
適用・進化
(Apply & Evolve)
移住/効果測定・改善/制度・文化改革/スケーリング・進化
共通VC基礎

並べてみると分かりますが、これは「分析の前」と「分析の後」を扱う領域です。

課題を見つけて(構想・探索)、どう解くか決めて(設計)、実際に作って動かして(構築・運用)、組織に広げていく(適用・進化)。分析そのものは「データサイエンス」領域が担当するので、価値創造はその前後を担うという構図になっています。

DS検定で問われる★1の20項目

スキルチェックリストは各項目にスキルレベルが★で設定されていて、★1=見習いレベル(Assistant Data Scientist)です。DS検定リテラシーレベルの出題範囲は、この★1相当と定められています。

価値創造の51項目のうち、★1で必須とされているのは20項目。全部並べます。

構想・探索フェーズ(5項目)

項目★1で求められること
技術・社会潮流の洞察主要な技術・社会トレンドを理解し、基本的な因果関係を説明できる
構造的因果の理解単一領域での因果関係の仮説を整理し、説明できる
変化のストーリー化変化の出来事を整理し、概要を説明できる
未充足ニーズの洞察顕在化した課題を整理し、既存の枠組みで説明できる
構造転換現状の課題構造を整理し、説明できる

設計フェーズ(6項目)

項目★1で求められること
ビジネスアーキテクチャ設計既存事業の構造を説明できる
価値ストーリー設計価値提案を要約して伝えられる
価値文脈統合目的に応じた指標を設計できる
倫理・リスク設計主要リスクを列挙できる
適応的ガバナンス構築既存の規程を自身の業務・タスクに適用できる
協働基盤設計多様な背景を持つ人々と協働する意義を理解し、関係者を特定できる

構築・運用フェーズ(3項目)

項目★1で求められること
データ流通・調達契約内のデータの取り扱いにおける基本的な条件を理解・遵守できる
PoC設計・実装検証目的を定義し、小規模なPoCを自ら実装・検証できる
ガバナンス実装AIガバナンスの枠組みを理解・遵守できる

適用・進化フェーズ(1項目)

項目★1で求められること
学習サイクル設計改善点を特定し、次の行動を設計できる

共通:VC基礎(5項目)

項目★1で求められること
変革をやり抜く粘り強さ困難に直面しても諦めず、指示された課題を粘り強く完遂できる
探索と俊敏な実行新たなサービスや技術に興味を持ち、自らリサーチ・試行できる
限定情報下での迅速判断力情報が不十分でも、最も影響の大きい要素を見極めて行動を選べる
意味構造の読み解き・共有自らの経験や出来事を整理し、わかりやすく説明できる
倫理的判断と社会接続社会的に何が「不適切」かを理解し、倫理・法・文化の境界を踏まえて行動できる

20項目から見えてくる3つの傾向

この20項目を並べて眺めると、対策の方向性がはっきり見えてきます。

1. 「説明できる」「整理できる」が圧倒的に多い

20項目の文末をよく見てください。ほとんどが「説明できる」「整理できる」「理解できる」で終わっています。「設計できる」「実装できる」はごく一部です。

つまり★1レベルで求められているのは、自分で価値を創り出せることではなく、価値創造の考え方を理解して言葉にできることです。

「事業を立ち上げた経験がないと無理では」と身構える必要はありません。用語と考え方の枠組みを押さえれば届きます。

2. 倫理・ガバナンスが3項目も入っている

「倫理・リスク設計」「適応的ガバナンス構築」「ガバナンス実装」。★1必須20項目のうち3つが、倫理とガバナンスに割かれています。VC基礎の「倫理的判断と社会接続」も入れれば4つです。

生成AIが実務に入ってきた今、AIをどう安全に使うかは技術者の必須教養という位置づけになったということです。ここは確実に出題されると考えて対策する価値があります。

3. 「VC基礎」の5項目はスキルというより姿勢

「変革をやり抜く粘り強さ」「探索と俊敏な実行」といった項目は、明らかに知識ではなく姿勢・態度の記述です。

試験問題としては、行動規範やケーススタディの形で問われる可能性があります。丸暗記の対象ではないので、「こういう姿勢が求められている」と理解しておけば十分だと思います。

どう対策するか

  • 暗記科目ではない。用語と枠組みの理解を優先する
  • 倫理・ガバナンスは重点的に。AI利活用のルール、個人情報の扱い、データの契約条件あたりは押さえておく
  • ニュースを「因果」で読む練習を。「技術・社会潮流の洞察」「構造的因果の理解」はまさにこれ。AI関連のニュースを見たとき、「なぜそれが起きているか」を一言で説明できるか試してみる
  • 他の3領域を固めてから最後に。過去問の蓄積がない領域なので、確実に点が取れるところを先に固めるほうが効率的です

公式リファレンスブックが対応版に更新されている場合は、そこが最も信頼できる教材になります。書籍を選ぶときは「価値創造」の章があるかどうかを確認してください。章がなければ、改訂前の内容です。

よくある勘違い

「ビジネス力がなくなった」わけではありません。

旧ビジネス力の内容は消えたのではなく、「基盤」と「価値創造」に分かれたという理解が正確です。

  • 論理的思考、課題の定義、行動規範といった土台の部分 → 基盤
  • 事業設計、社会実装、ガバナンスといった価値を生む部分 → 価値創造

「ビジネス力の対策をしていたけど無駄になった?」と心配する必要はありません。行き先が変わっただけです。

まとめ

  • 価値創造はver.6(2025年11月発表)で新設。旧ビジネス力を再定義したもの
  • 51項目、4フェーズ+共通の構成。DS検定で問われる★1必須は20項目
  • 求められるのは「説明できる」レベル。実務経験がなくても届く
  • 倫理・ガバナンスが4項目と手厚い。ここは重点的に
  • 教材選びは「価値創造」の章があるかで判断する

情報が少ない領域ですが、公式リストを直接見れば、求められていることは意外とはっきりしています。他の領域を固めたあとに、この20項目を眺めるところから始めてみてください。

出題範囲の全体像は、こちらでまとめています。

※本記事は、一般社団法人データサイエンティスト協会が公開している「データサイエンティスト スキルチェックリスト ver.6」および同協会のプレスリリースをもとに、2026年9月時点でまとめたものです。スキルチェックリストおよび試験範囲は改訂される場合がありますので、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。

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