基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。ITエンジニアの登竜門と呼ばれていて、就職・転職や社内評価で名前が挙がることも多い資格です。
2023年から通年でいつでも受けられるCBT方式になりました。年2回の一斉試験を待つ必要がなくなったのは大きな変化です。
ただ、「いつでも受けられる」というのは、裏を返すといつまでも受けないまま終わるということでもあります。この記事では、試験の中身と申込のルールを整理して、動き出せる状態まで持っていきます。
この記事でわかること
- 試験の全体像(受験料・問題数・時間・合格基準)
- 科目Aと科目Bが、まったく別物である理由
- 合格基準の「600点」がどういう意味なのか
- 申込のルールと、再受験までの待機期間
- 科目A免除制度という近道
- どこから手をつけるべきか
目次
- 基本情報技術者試験とは
- 科目Aと科目Bは、別の試験だと思ったほうがいい
- 合格基準の「600点」の意味
- いつ受けられる?申込のルール
- 科目A免除制度という近道
- どこから手をつけるか
- 教材の選び方
- ほかの資格との関係
- まとめ
基本情報技術者試験とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | 基本情報技術者試験(FE) |
| 主催 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 |
| 受験料 | 7,500円(税込) |
| 科目A | 60問/90分/多肢選択式(四肢択一) |
| 科目B | 20問/100分/多肢選択式 |
| 合格基準 | 各科目1000点満点中、両方とも600点以上 |
| 実施方式 | 全国の試験会場でのCBT・通年実施 |
| 申込 | インターネット受付のみ |
科目Aと科目Bを合わせると190分。休憩を挟むとはいえ、3時間を超える長丁場です。体力面も地味に効いてきます。
科目Aと科目Bは、別の試験だと思ったほうがいい
ここを混同すると対策を間違えます。名前は続いていますが、問われている能力がまったく違います。
科目A:60問を90分(1問あたり90秒)
四肢択一で、出題範囲はテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3分野。ネットワーク、データベース、セキュリティといった技術寄りの内容から、プロジェクトマネジメント、経営戦略、法務まで幅広く出ます。
1問90秒なので、考え込む時間はありません。知識の量と、それを引き出す速さが問われる試験です。裏を返すと、コツコツ積み上げれば点数が素直に伸びます。すきま時間との相性がいい科目です。
科目B:20問を100分(1問あたり5分)
こちらは配分がまったく逆で、1問に5分使えます。それだけ1問が重いということです。
| 分野 | 出題数 |
|---|---|
| アルゴリズムとプログラミング | 16問 |
| 情報セキュリティ | 4問 |
| 合計 | 20問(全問必須) |
8割がアルゴリズムとプログラミングです。しかも擬似言語という、この試験独自の記法で出題されます。特定のプログラミング言語ではなく、IPAが定めた書き方でロジックが示され、それを読み解いて答えます。
ここが最大の関門です。
科目Aは暗記でなんとかなりますが、科目Bは「コードを目で追って、変数の値がどう変わるかを追跡する力」が要ります。これは知識ではなく技能なので、手を動かした量がそのまま結果になります。
逆に言えば、ここさえ突破すれば合格はかなり近づきます。勉強時間の配分は、科目Bを多めに取るのが定石です。
合格基準の「600点」の意味
合格基準は各科目1000点満点で600点以上。両方クリアして初めて合格です。片方だけ高得点でも落ちます。
ここで注意したいのが、「600点=6割正解」ではないということです。
採点はIRT(項目応答理論)方式で行われます。問題ごとの難易度に応じて重みが変わるため、「何問正解すれば合格」と単純には言えません。
さらに科目Bは、20問のうち評価対象は19問で、残り1問は今後の出題を評価するための問題として扱われます(どれが該当するかは受験者には分かりません)。
実務的な結論としては、「7割は固い」状態まで持っていくのが安全ラインです。ギリギリを狙わないほうが精神衛生上もいいです。
いつ受けられる?申込のルール
通年実施ですが、いくつかルールがあります。知らないと予定が狂います。
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 選べる試験日 | 当月から3か月先の月末まで |
| 予約できるタイミング | 申込日より3日目以降で、空席がある場合 |
| 申込方法 | インターネット受付のみ |
| 再受験 | 前回受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降 |
再受験のルールは覚えておいてください。たとえば5月1日に受験したら、次に受けられるのは6月1日以降です。「ダメだったらすぐ受け直そう」は通用しません。
通年試験でいちばん多い失敗は、日付を決めないことです。
「もう少し勉強してから申し込もう」と思っているうちに半年経つ、というのが典型パターン。3か月先まで選べるので、先に受験日を確定させて、そこから逆算するほうが確実に前に進みます。
科目A免除制度という近道
意外と知られていませんが、科目Aを免除できる制度があります。
IPAに認定された講座を受講し、その修了試験に合格すると、本番では科目Bだけを受ければよくなります。免除期間は修了認定日から1年間で、その1年のうちは何度受験しても免除が適用されます。
この制度が効くのはこういう人です。
- 科目Aの範囲(特にマネジメント系・ストラテジ系)が苦手で、そこに時間を取られたくない
- 科目Bのアルゴリズムに集中したい
- 1年のうちに複数回チャレンジする前提で構えたい
本番の負担が190分から100分に減るのは、体力面でも大きいです。
ただし講座の受講費用がかかります。独学で科目Aを突破できそうなら、無理に使う必要はありません。
どこから手をつけるか
| 順番 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 受験日を決めて申し込む | 通年試験は日付を決めないと動かない |
| 2 | 科目Bの擬似言語に慣れる | 最大の関門。技能なので早く始めるほど有利 |
| 3 | 科目Aを毎日すきま時間で回す | 暗記型。積み上げが素直に効く |
| 4 | 直前は科目Bの演習量を増やす | 本番の時間配分に体を慣らす |
ポイントは、科目Aと科目Bを同時並行で進めることです。科目Aを全部終えてから科目Bに入ると、擬似言語に慣れる時間が足りなくなりがちです。
教材の選び方
基本情報は市販の対策本が非常に多い資格です。だからこそ、選ぶ基準を決めておくと迷いません。
- 受験する年度に対応した版を選ぶ(シラバス改訂が頻繁)
- メインは科目A・科目B両方を扱う総合テキストを1冊
- 科目Bが不安なら擬似言語・アルゴリズム専門の本を追加
演習量を増やしたい場合、読み放題対象の問題集を使う手もあります。基本情報は科目Bに特化した本が読み放題に複数あるのが特徴で、ここは相性がいいです。定番テキストは対象外なので、あくまで2冊目以降として使うのが現実的です。
- Kindle Unlimitedで読めるIT資格の対策本まとめ(基本情報の対象本も調べています)
ほかの資格との関係
基本情報は、ほかのIT資格とつながりがあります。順番を意識すると効率がよくなります。
| 資格 | 基本情報との関係 |
|---|---|
| ITパスポート | 基本情報の手前。IT用語の土台づくりに向く |
| DS検定・G検定 | 方向性が違う(データ・AI寄り)。並行して取る人も多い |
| DX推進パスポート | ITパスポート+G検定+DS検定で取得できるデジタルバッジ |
まとめ
- 受験料7,500円(税込)、科目A 60問90分+科目B 20問100分、通年CBT
- 合格基準は各科目1000点満点で600点以上。IRT方式なので「何問正解」では測れない
- 科目Bはアルゴリズム16問+セキュリティ4問。擬似言語が最大の関門
- 再受験は前回受験日の翌日から30日超。すぐには受け直せない
- 科目A免除制度を使えば、本番は科目Bだけ。免除は修了認定日から1年間
- 通年試験だからこそ、先に日付を押さえるのがいちばん効く
いつでも受けられるということは、いつでも先延ばしにできるということです。まずは3か月先までのカレンダーを開いて、受験日を決めるところから始めてみてください。
※本記事の受験料・試験時間・合格基準・申込ルールは、IPAおよび試験運営元(CBT-Solutions)の公開情報をもとに、2026年9月6日時点でまとめたものです。試験制度は変更される場合がありますので、お申し込みの際は必ずIPA公式サイトで最新情報をご確認ください。
